懐かしくも新鮮な体験!?オーガニック食品の量り売り ゼロ・ウェイストのバルクショップ「the kind」

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the kindのエシカルポイント

  • 容器や袋を持参、店内商品は量り売りで必要な分だけ購入可能
  • オーガニックの食材が中心
  • 売り物にならなかった野菜を救済。人気のお菓子「やさいのかりかり」
  • ピーナッツ、アーモンドをその場でペーストするマシーンが話題

懐かしくも新鮮!?ゼロ・ウェイストのバルクショップ「the kind」

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京阪本線 清水五条駅から南東に徒歩5分。京町家の古民家と新築の建物が入り混じる閑静な住宅街に、ゼロ・ウェイストのバルクショップ「the kind」はあります。

お店の入口は建物の少し奥まったところにありますが、道路に面して看板が出ているので、それを目印に探せば分かりやすいと思います。

2023年夏、ゼロ・ウェイストのバルクショップオープン

お店を経営する若き女性オーナーさんに、ゼロ・ウェイストのバルクショップをオープンすることとなった経緯をお伺いしました。

「学生の頃から留学などで海外での生活には慣れ親しんでいて。私自身はカナダの滞在が長かったんですけど、姉がイギリスに住んでいるのでイギリスや近隣のヨーロッパの国にもよく行きます。環境先進国と呼ばれる国々の環境問題への関心は高く、消費や購買に関してもエコなものや持続性の高いものを選択する習慣は根付いていましたね。」

「私自身が『ゴミをあまり出したくない』という性分で、日本に帰って来てから、あらためて日本での買い物の現状を見つめてみると、量り売りのお店ってあまり無いなと。」

近年、アップサイクルや「脱プラ」の包装などサステナブルな資材を使用した包装は増えてきているものの、そもそも包装自体を使用しない“量り売り”については、まだまだ少ないという印象だったとのこと。

「それなら自分で始めてみよう」と一念発起。同じく京都で有名なゼロウェイスト・ショップ「斗々屋」さんなどで販売方法を教わり、準備期間を経て、2023年の8月にthe kindをオープンされました。

そもそも「ゼロ・ウェイストショップ」って…?「バルクショップ」って…?

まず「ゼロ・ウェイスト」とはゴミを最小限に抑えるライフスタイル。使い捨てや環境破壊につながるものを減らし、再利用やリサイクルを促進することが目的です。

「ゼロ・ウェイストショップ」とは、ゼロ・ウェイストのライフスタイルに寄り添ったお店です。お客さんに容器を持参してもらったり、再利用やリサイクルの容器を使って量り売りで販売します。販売している商品に関しても、環境に配慮したものやフェアトレードの商品を取り扱います。

もう一つの「バルクショップ」ですが、”bulk”には英語で容積、容量、かさなど大きさを表す意味があります。お店の意味の”shop”を繋げることで、重さやサイズの単位で購入できる、“量り売りのお店”という意味で使われています。

日本においても「量り売り」は古くからある商いの一つであり、江戸時代には既に存在していたと言われています。
一昔前の日本のお買い物風景でも、豆腐屋さんにボウルを持って買いに行っていたお母さんの姿がありました。
どこか懐かしい気持ちで買い物したり、新しいライフスタイルとして再び注目されています。

the kindで買える量り売り商品

店内は広く、食材の詰められた瓶が棚やテーブルにずらりと並びます。量り売りの定番であるナッツやドライフルーツの他、紅茶やお菓子類など店内のほぼすべての商品を量り売りで買うことができます。

ゴミを出さないだけでなく、フードロスの観点でも無駄がなく必要な分だけ買えるのがうれしいところ。

データベースが作れるほどたくさんあるので、すべては紹介しきれませんが、筆者が気になった商品をピックアップしてご紹介させていただきます。

ドライフルーツ

店内中央の卓上にはパイナップル、マンゴー、マンダリンオレンジ、キウイ、ブルーベリーなどドライフルーツが充実。瓶に貼られたラベルの上には「オーガニック」の文字が印字されています。

気になって購入したのはドライ・バナナ。
甘くしっとりとした質感ですが、とても噛み応えがあります。乾燥させたバナナ独特の香りがして、例えるならラム酒などのお酒を使った品の良いスイーツのような味わいでした。

そしてもう一品はドライ・マンゴー。タイ産の一般的なオーガニックのものと、カメルーン産のドライワイルドマンゴーの2種が並んでいます。

食べ比べをしましたが、ドライワイルドマンゴーは色が少し茶色く、マンゴーの香りが凝縮されたように風味が強く、味も濃く感じました。オーナーさんが「燻製にした時に食材の旨味と風味が凝縮されて濃くなるようなイメージ?」とおっしゃっていたのがなんとなく分かりました。

ナッツ・シード類
めずらしいナッツのペーストマシーン

ナッツコーナーの端には、なんともめずらしいピーナッツとアーモンドのペーストマシーンがそれぞれ置いてあります。
買い方は瓶などの容器を吹き出し口の下に置いた後、右側にあるボタンを押します。ゆっくりとペーストされたピーナッツが出てくるので、欲しい分だけ直接、容器の中に流し込みます。

実際に食べてみましたが、純粋で豊かなナッツの風味が口の中に広がります。本当にナッツをペーストしただけなので、口の中の水分が持っていかれます…。そのまま食す際は手元にドリンクを用意しておくことを忘れずに。

オーナーさんいわく、「海外からの観光客が多いこのお店ですけど、ペーストマシーンは外国の方にとってもめずらしいみたいで、良いリアクションをいただけますね。」

その他キヌア、ブラックチアシード、ココナッツチップ、ひまわりの種、パンプキンシード、クコの実、ドライトマトなど。

お菓子類

お店の人気商品である「やさいのかりかり」。その名の通り、野菜をカリッとドライに仕上げたお菓子ですが、長崎の農家で採れた野菜の中で、形が良くなくそのままでは売り物にできない野菜を使用している、フードロスを考慮したお菓子です。

ノンフライでヴィーガン、グルテンフリー。遺伝子組み換え食品も不使用で、いろんな方に安心してお召し上がりいただけます。
噛むほどに野菜の自然な甘みが広がり、食べ出したら止まらないお菓子です。筆者はアメリカンな某ポテトチップスのオニオンサワークリームのような「たまねぎ」味が好みでした。

カカオが豊富に含まれる芳醇な香りのチョコレートも。
ショコラノワール「スーパーフード60%」、「ダークチョコレート72%」、「アマンドココ70%」、「ブラックチョコレート70%」。
ラベルにはヴィーガン対応、オーガニック、フェアトレードとそれぞれ明記されています。

スパイス類

ブレンドされたカレースパイスは「大辛」、「辛口」、「甘口」、「辛くないカレースパイス」と辛さのレベルによって。

豆類・穀物

豆類・穀物コーナーのひよこ豆、赤レンズ豆、緑レンズ豆、オートミール、クイックオーツ。

紅茶

紅茶はフレーバーが豊富で、選ぶのに迷います。
オレンジピール、ローズヒップ、レモングラス、エルダーフラワー、ハイビスカス、カモミール、レモンバーム、ラズベリーリーフ、ラベンダー、リンデン、ブルーマロウ、ローズペダル、アッサム、ダージリン、アールグレイ、ジンジャー。

オーツミルク・豆乳

オーガニックのオーツミルクや無調整豆乳。
「海外から来られたヴィーガンの方は、日本は豆乳はあるけど『オーツミルクがない』って困っているみたいです。」
お店で発見すると「ホテルに持ち帰って飲みたい」と喜んで購入されるそう。

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量り売り商品の買い方

まず好ましいのは容器を持参すること。来店2回目の筆者は瓶をちゃんと持参し、褒めていただきました。

もし手持ちがなかったり、忘れてしまっても大丈夫。瓶はお店で購入できますし、紙袋であれば無料で提供してもらえるとのこと。

商品をまず瓶に詰めて計量。異なる商品を同じ瓶に入れたい場合は、商品を一度計量してもらってから、別の商品を追加していただきます。

「買い物手順」の店内ポップ

お店には「お買い物の手順」を説明したポップが置いてありますので、ぜひ参考にしてください。
オーナーさんに聞いてもOK。ご丁寧に教えてくださいます。

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シェアキッチン、プラントベースのカフェ・レストランも併設

シェアキッチン

店舗の隣の部屋に、シェアキッチンも併設されています。詳細は公式サイトにてご確認ください。

the kind シェアキッチン
https://the–kind.com/the-kind-table/

プラントベースのカフェ・レストラン

シェアキッチンの朝の時間帯は、プラントベースの朝食をご提供されていらっしゃいます。
現在は臨時休業中ですが、2024年3月より再開予定。

肩ひじ張らずに気軽に寄れるお店

京都市内には有名どころの「斗々屋」などゼロ・ウェイストでお買い物ができるお店が点在しています。近年増えてきてはいるものの、まだまだ馴染みのない方も多いと思います。不慣れだったり容器を持ち歩く習慣がないことから買うことに躊躇してしまう人も。

the kindはその場で瓶が販売されていますし、必要な方には紙袋での提供もあります。
お買い物の手順もオーナーさんが親切に教えてくださるので、気軽に寄れるお店だと思いました。

ゼロ・ウェイスト、”量り売り”でのお買い物を、どこか、より日常的なものに感じさせてくれるお店です。

the kindの基本情報

お店の基本情報は2024年1月17日時点のものです。

店名the kind
所在地京都府京都市東山区本町二丁目84-2
営業時間Bulk Shop 11:00-17:00
急な変更もあるため、お店のInstagramにてご確認ください。
https://www.instagram.com/the_kind_kyoto/
定休日お店のInstagramにてご確認ください。
https://www.instagram.com/the_kind_kyoto/
URLhttps://the–kind.com/
この記事を書いた人
きょうエシ! 編集部

「食べる」、「買う」、「体験する」、「知る」の4つの観点で、京都のエシカルな情報をお届けします。
編集部は京都在住の社員、地元民、大学生。
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